岡野 憲一郎
「心のマルチ・ネットワーク 脳と心の多重理論」
講談社現代新書
を読了。
心を説明する理論は多々あるが、
「複数のネットワークの集合体」
というメタ理論として提示するのは面白い試みだと思う。
特に重要なのが、
・中心が存在しない
・ネットワーク同士の関係は常に変動する
・個々のネットワークの振る舞いは、その構成単位の相互作用から創発する
という観点だろう。
私なりに要約すると、
「心はシステムではない」
ということになり、仏教でいう「無我」に近い。
また、ネットワーク同士の性質として、
「一つのネットワークの興奮は、それとは無関係なネットワークの興奮をむしろ抑制する傾向にある」
というものは、示唆的だ。
この仮説を飛躍させると、
「観(ヴィパッサナー)による自己観察ネットワーク構築による自己破壊的衝動ネットワークの抑制」
を基盤とし、
「自己観察ネットワークの拡大による各ネットワークの統合」=「涅槃」
ということになるかも。
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