2010年10月23日土曜日

ビジネスとしての人道援助

伊勢崎 賢治
「武装解除 紛争屋が見た世界」
講談社現代新書

を読了。

・ソール・アレンスキーの理論:「共通の問題を顕在化させる」
・ROE(Rule of Engagement):交戦の際の行動基準。
・後方支援:戦闘部隊の支援。戦略上必要なサービス。
・シエラレオネ:復讐する気力も失わせる絶望による和解。
・和解:戦争犯罪を裁く能力がなく、和解は金になりやすいが故に、和解という看板を立てる。
・Busha Rank(ジャングルの階級):民兵組織の指揮命令系統。戦場での勇敢さなどから極めて主観的に任命される「誰でも将軍」。
・「力の空白」:武装解除が行われた直後、対象地域の軍事量の一つがなくなることで、敵対関係にある近隣他地域の武装勢力の襲撃やその地域の犯罪の増加などが起こること。
・人道援助:「戦争利権」の一つ。
・民主主義:「強者の宗教」。

 軍事力がなければ、治安維持すらままならない。
 資金がなければ、武装解除どころかまともな事業一つ実行できない。
 にもかかわらず、戦争犯罪を裁く特殊法廷や軍事犯罪者を収監する刑務所には金が集まらず、紛争が収まらず住民が帰宅できない地域に、小学校だけが出来上がってしまう。
 一度のテロだけでその首謀者を庇う国家に戦争を仕掛けたとある国が、内戦で何万人も殺させる原因を作った男を副大統領に任命するよう外圧を掛ける。
 
  何というか、紛争地のシビアな現実というものはこういうものなのだろう。

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